日本共産党議員団は、第2回定例市議会に提案された35件の議案(新型コロナ対策を盛り込んだ補正予算など)と3件の議会議案(意見書)のうち、市税条例改正案と手数料条例改正案の2件の議案に反対、その他は賛成しました。反対した2件については、ひろ豊議員が議員団を代表して反対討論を行いました。
反対討論の要旨は以下の通りです。
日本共産党市会議員団を代表して、議案第58号摂津市税条例の一部を改正する条例制定の件及び第59号摂津市手数料条例を改正する条例制定の件についての反対討論を行います。
議案第58号は、国の地方税法の改正に伴い市税条例の一部を改正するものですが、市民への影響としては、給与所得控除の上限を給与収1千万円から850万円とすることで、勤労世帯への増税となります。子育てや介護を行っている者には負担増が生じないように配慮がされますが、摂津市ではおよそ3千人がその対象となり、約1万5千円の影響を受けます。一方、法人市民税の関係では連結納税制度の見直しで、グループ通算制度として形を変えて大企業に有利な制度が引き継がれます。
また、市民税基礎控除の引き上げ、公的年金等控除の見直しに伴い、収入は増えないのに所得が増えるという問題があります。国民健康保険料や介護保険料など、所得金額によって算定基準が定められている様々な制度にも影響が生じる可能性があり、政府は低所得者への負担増にならないため各制度の基準の見直しをおこなうと述べていますが、市の独自制度についても所得基準が設けられているものについては、影響が出ないようにすることが必要です。くれぐれも負担増が生じないように制度の総点検を求めておきます。
議案第59号は、マイナンバーの通知カードの廃止に伴い、手数料条例から通知カード再発行の項目を削除するものです。
通知カード廃止は昨年5月に国会で成立したデジタル手続法に関連するものです。デジタル手続法は国・地方・民間業者・国民・その他の者が、あらゆる活動において情報通信技術の便益を享受できる社会の実現をめざし、行政手続きの原則オンライン化などを進めるとされていますが、果たして国民がすべての手続きのオンライン化を望んでいるのか、それが本当にスムーズな行政手続きを実現するのかについては、この間の特別定額給付金におけるオンライン申請での混乱や中小業者への持続化給付金支給の大幅な遅れを見ても疑問を感じざるを得ません。
システム改修など莫大な費用をかけて、膨大な個人情報の集積を行おうとしていますが、国民はその危うさに気付いているからこそマイナンバーカードの普及は遅々として進まない訳です。
2015年10月制度導入当初、マイナンバーカードの全国民への発行を義務化できないため、紙の通知カードを配ったわけですが、5年もたたないうちに通知カードを廃止してマイナンバーカードの取得に誘導する今回の動きには到底賛同できません。
市として、マイナンバーカードの取得は義務ではないことを市民に周知すること、また、通知カードの廃止はじめ、国民をマイナンバーカード所持に追い込む政府の在り方に抗議をすることを求めて反対討論とします。